みなさんは、変形性膝関節症という疾患を聞いたことはありますか？
日本人で膝の痛みに悩まれているという方は、全国でも700万人を超えると言われており、その中の大部分を変形性膝関節症が占めています。
今回は、変形性膝関節症で悩まれている多くの人に向けて、変形性膝関節症の原因や症状、治療法、予防法などを詳しくご紹介していきます。
「変形性膝関節症を治したい」「予防したい」と考えている人は、ぜひチェックしてみてください。
目次
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症とは、膝関節の内部に存在している関節軟骨が、何らかの原因により減ってしまい、骨と骨が衝突し炎症が起きてしまうという疾患です。
変形性膝関節症は、治りが遅い疾患とも呼ばれていて、初期、中期、末期と段階があり、それぞれ症状が異なります。
初期の痛みは軽度で、『膝を曲げ伸ばししにくい』『膝に違和感がある』『膝が重い気がする』などの症状が起こります。これらの症状はずっと続くわけではなく、数分から数時間で消失するのが一般的です。
膝に違和感を感じる頻度が高くなると、中期へと移行します。
中期では、症状が強くなり、だんだんと痛みを感じるようになります。
階段の上り下りや、しゃがみ込み動作など、膝を大きく曲げたり伸ばしたりする動作で痛みを感じるようになるのが、中期の症状の特徴です。
また、この頃から膝が腫れたり、関節内部に水が溜まってしまったりする人もいます。
末期では、中期で起きていた膝の痛みがさらに強くなり、中には激痛で歩けないという人もいるでしょう。
仕事や日常生活に支障をきたすレベルとなり、動くということを辞めてしまう人がとても多いです。
変形性膝関節症の原因は？
膝関節内部の関節軟骨が、何らかの原因ですり減ってしまうことをご説明しましたが、頻度の高い原因として挙げられるのが『加齢』と『肥満』です。
加齢によって血行が悪くなってしまったり、筋肉量が低下してしまったりすることで膝へかかる負担が増えるパターンと、膝関節の上下に位置している股関節や足関節の可動域が加齢と共に狭くなっていき、膝関節へかかる負担が大きくなってしまうパターンがあります。
また、年を取るにつれて運動をしなくなる人が多く、運動不足も変形性膝関節症を引き起こす原因の一つです。
肥満では、みなさんのイメージするとおり、体重が増えることで膝関節へかかる負担が非常に強くなります。
立ち姿勢では、常に重い体重を下半身で支えないといけないため、肥満の人は変形性膝関節症になりやすくなってしまうのです。
もし変形性膝関節症になってしまったら？
「もし自分が変形性膝関節症になってしまったら、どうすれば良いのか？」と心配な人も多いのではないでしょうか。
ここからは、変形性膝関節症になってしまった時の治療法や、自分でできる予防や対策について解説していきます。
変形性膝関節症の治療法
変形性膝関節症の治療には大きく分けて『保存療法』と『手術』の2種類があります。
まずは保存療法が選択され、それでも良くならなかった場合に手術が適用される、といった流れが一般的です。
保存療法の場合、整骨院では電気治療やマッサージを行い、硬くなった筋肉をほぐしたり、痛みを取り除いたりする治療をメインで行います。
病院では、湿布薬や痛み止めなどの薬で治療を行っていくことがほとんどです。症状の強い場合は、膝関節の内部に溜まった水を抜くための注射や、膝関節内部にヒアルロン酸を注入するための注射を行う場合があります。
手術が適用される場合は、変形してしまっている膝の骨を切除し、金属プレートなどで固定を行い、膝関節を正しい位置に戻します。
変形性膝関節症の予防法
変形性膝関節症の治療を行い、痛みが治ってきたら、次は再発の予防を行うことがおすすめです。
なぜなら、変形性膝関節症は再発のリスクが高く、予防を行わないとほとんどのケースで再発をしてしまうからです。
変形性膝関節症になってしまった人は、整骨院や病院へ行って治療を受ける人がほとんどですが、その先の再発予防まで行える人はごくわずかです。
その理由として、「何をすれば良いのかわからない」といった意見が多く、数ヶ月経って再発してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
日常的に、誰でも行うことが可能な予防法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
ウォーキング
変形性膝関節症の予防法として最もおすすめなのが、ウォーキングです。
『歩く』という動作を行うことによって、膝関節を構成しているさまざまな筋肉を適度に鍛えることが可能で、膝だけではなく、腰痛などにもとても効果的です。
ただし、1度ウォーキングすればいいというわけではなく、継続して行うことで効果が得られます。
無理のない距離や時間を設定し、毎日継続できる適度な負荷で実践しましょう。
筋トレ
筋トレもまた、変形性膝関節症の予防法としておすすめです。
もも上げやスクワットなど、太ももやお尻の筋肉のトレーニングをすることで、膝関節周りの筋肉が強くなり、膝関節の安定性が高まります。
筋トレもウォーキングと同様に、継続が非常に大切なため、続けられる程度の適度な負荷で行うようにしましょう。
膝に過度な負担がかかる動作を避ける
変形性膝関節症の予防法として、膝へ過度な負担がかかる動作を避けるという点が挙げられます。
具体的には、『階段を強く上り下りしない』『しゃがみ込み動作を極力避ける』などが挙げられます。万が一変形性膝関節症になってしまった時にも、同じように負荷のかかる動作を避けるという対処が行われます。
特に、変形性膝関節症が治りかけの時期は、過度な負担が膝にかからないように注意しましょう。
まとめ
高齢者に起こりやすい疾患として有名な変形性膝関節症ですが、今回ご紹介した治療法や予防法をしっかりと行うことで、症状の発生や悪化を未然に防ぐことが可能です。
再発のリスクをおさえるために大切なのは、『継続して再発予防に努めること』です。
ウォーキングや筋トレなどを、規則正しく毎日続けることによって、変形性膝関節症のリスクを限りなく低くすることが可能です。
過去や現在で変形性膝関節症に悩まされたという人、これから変形性膝関節症になるのが怖いと思われている人などは、今回ご紹介した予防法をぜひ試してみてください。
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