日本には、およそ3,000万人の人々が腰痛に悩まされているといわれています。
つまりこれは、日本人の4人に1人は腰痛を持っているという計算になります。
こんなにも日本人を悩ませている腰痛には、どのような種類があるのか知っていますか?
また、その腰痛を予防するにはどうしたら良いのでしょうか。
本記事では、非常に多くの日本人を悩ませている腰痛の原因について詳しく解説します。
現在腰痛があるという方や、過去に腰痛で辛い思いをしたことがあるという方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
腰痛の分類
腰痛は大きく分けて2種類の腰痛に分けられます。
- 特異的腰痛
- 非特異的腰痛
特異的腰痛とは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、腰痛を引き起こしている原因が特定できる腰痛です。
これらの症状は、手術や投薬治療、保存療法などさまざまな治療法が挙げられます。
一方で非特異的腰痛とは、これといった原因が見当たらない腰痛のことをさします。
原因が見当たらないとはいえ、筋肉疲労や関節の捻挫など、一般的に怪我や慢性腰痛と言われている腰痛が非特異的腰痛に分類されます。
特異的腰痛と非特異的腰痛の割合としては、非特異的腰痛が全体のおよそ8割を占めており、特異的腰痛は2割程度となっています。
つまり、腰痛で悩んでいるという方々のほとんどは、原因のはっきりしていない非特異的腰痛ということになります。
非特異的腰痛を引き起こす要因
次に、非特異的腰痛を引き起こす要因を6つ紹介します。
現在腰痛に悩まされている方や、過去に腰痛で辛い経験をしたことがあるという方は、ぜひチェックしてみてください。
筋肉疲労
非特異的腰痛の要因として最も頻度の多い要因が筋肉疲労です。
腰や背中、股関節周りの筋肉の使い過ぎによって筋肉が硬くなり、やがて痛みへと変化します。
立ちっぱなしが続いて腰痛を引き起こした場合や、慣れない作業を行って腰痛を引き起こした場合など、筋肉を過度に使用してしまった際に起こりやすいといわれています。
スポーツ外傷
非特異的腰痛は、スポーツの現場でもよく起こります。
サッカーのキックや野球のスイング、ゴルフのスイングなど、体幹を思い切り捻る動作を伴うスポーツでは、腰痛を引き起こす頻度は高くなります。
繰り返しの動作により筋肉に負荷がかかり、一定のストレスがかかると痛みを発生させてしまいます。
心因性腰痛
心因性腰痛とは、腰痛を傷めるような作業や行動をしていないのにも関わらず、腰に痛みが発生してしまうものです。
度重なる精神的なストレスが原因となり、自律神経の乱れを引き起こした場合、これといった原因がなくても腰痛を発症させてしまいます。
レントゲンなどでは異常所見はみられず、検査でも異常がみられることはほとんどありません。
姿勢不良
猫背や反り腰といった姿勢の乱れも、非特異的腰痛を引き起こす原因として挙げられます。
通常よりも背中が丸まってしまう猫背では、常に背部の筋肉が引き伸ばされた状態になってしまいます。
そうなると、筋肉は常に縮もうと力を入れてしまい、一向に休むことができなくなってしまうのです。
また、反り腰では常に腰の筋肉に力が入った状態となっているため、反り腰の姿勢が続くと徐々に腰の痛みが増してしまいます。
女性特有の腰痛
女性特有の生理の周期によっても、非特異的腰痛を引き起こしてしまうといわれています。
この点に関しては個人差があるため、生理期間中だからといって全員が腰痛を引き起こすわけではありません。
体温の変化や自律神経の乱れなど、さまざまな要因が重なり、女性特有の腰痛を引き起こす場合があるということを覚えておきましょう。
加齢
筋肉や骨は、年齢と共に脆く、弱くなってしまいます。
若年層ではどうってことない運動量や作業の量であっても、高齢者には過度な負担になってしまうケースも少なくありません。
年齢を追うごとに腰回りに耐えられる負荷は少なくなってしまうため、注意が必要です。
腰痛を予防するために意識するポイント
最後に、腰痛を予防するために意識するポイントを紹介します。
発生頻度の高い非特異的腰痛ですが、きちんと対策をして、日頃からケアをすることである程度のものは予防することができます。
腰痛を何度も繰り返しているという方は、ぜひチェックしてみてください。
姿勢改善
腰痛を何度も繰り返してしまう方に共通しているのが、不良姿勢です。
猫背や巻き型、反り腰などの姿勢が長時間続いてしまうと、腰痛を引き起こしてしまいます。
整骨院や整体院などで実施している姿勢改善を受け、なおかつ自宅でのセルフケアを行うことで、時間はかかってしまいますが姿勢の改善を図ることは十分に可能です。
例外もありますが、ほとんどの不良姿勢は改善することが可能なので「自分の猫背はもう治らないかも」と諦めている方はぜひ姿勢改善に取り組んでみてください。
日常生活に気を配る
腰痛予防で非常に重要なことが、日常生活に気を配るということです。
整骨院や整体院に通院しているのにも関わらず、腰痛が一向に治らない方の特徴として多いのが『日常生活の悪い癖が治っていない』という点です。
いくら整骨院でマッサージをしたり矯正治療を受けたりして体を整えていたとしても、日常生活に腰痛の原因があった場合、またすぐに痛みが発症してしまうことになります。
不良姿勢で仕事をしない、長時間同じ姿勢は避けるなど、日常生活に気を配ることが、腰痛予防で最も重要なことだといえるでしょう。
適度な運動
適度な運動は、腰痛予防に非常に良い効果をもたらします。
筋肉は、硬くなることで痛みなどの不具合を生じさせてしまうのですが、筋肉は適度に動かすことにより血流が促進され、良い状態の筋肉を保つことが可能です。
上記では紹介していませんが、運動不足も腰痛を引き起こしてしまう要因として挙げられるため、腰痛予防をしたいと考えている方はぜひ適度な運動を心がけてみてください。
まとめ
日本人の4人に1人が悩んでいる腰痛は、さまざまな要因によって引き起こされます。
はっきりとした原因がある腰痛もあれば、原因のはっきりしない腰痛もあり、それぞれ対処法や予防法は異なります。
発生頻度の高い非特異的腰痛は、主に日常生活が原因で起こることが多いため、日頃の意識やケアが重要です。
現在腰痛で悩んでいるという方や、過去に腰痛によって辛い思いをしたことがあるという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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